夏も終わりに近づくと空が高くなり、気がつけば秋の気配がすぐそこに・・・
急に肌寒くなるこの季節は、喘息の方にとって要注意の季節です。
日頃から自分の体調の変化に気を配り、体力をつけていればぜんそくの症状は
改善することが可能です。
秋冬のぜんそくの対策についてご紹介します。
◆喘息(ぜんそく)とは?◆
現在、日本には気管支喘息の患者が500〜600万人存在し、
その羅患率は増え続けているとも言われています。
喘息は、気管支に慢性の炎症があって、通常では何でもないような
刺激に対して過敏に反応して気道が閉塞し、
様々な気管支の症状(発作)が現れます。
たとえば発作性の咳、呼吸や胸の苦しさ、呼吸に混じって
「ゼーゼー、ヒューヒュー」という音(喘鳴・ぜんめい)が聞こえるなどです。
また、これらの症状は一般的に安静にすると症状が治まります。
ステロイド剤が有効なのも特徴といわれています。
◆発作が起こる原因◆
喘息は、人によって症状・悪化の原因が様々に異なります。
アレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)や、その他にも様々な
環境因子が関わって、喘息の悪化は起こります。
○アレルゲン:ほこり、ダニ、花粉、動物の毛や羽、カビ(真菌)、食べ物、など
○環境因子:呼吸器への刺激(気候・温度・気圧の変化、大気汚染、入浴、運動など)
:生活習慣(ストレス、飲酒、タバコ(受動喫煙も含む)など)
:風邪やインフルエンザなどの気道感染、薬剤(解熱鎮痛薬、高血圧薬など)
◆喘息の治療◆
原因が人によって様々なので、治療法はひとりひとり異なります。
薬物療法としては、「気道の炎症を抑える薬」と「発作を抑える薬」が医師の判断に
よっ て使われます。
症状が軽症の場合、自宅でも使える、薬剤を霧状にした
「吸入薬」を使います。吸入薬は呼吸トタイミングを合わせて
吸い込みますが、薬剤が喉に残るので必ずうがいをしましょう。
また、発作の軽減と体質改善のため、体質や症状にあわせて
漢方薬が処方されることもあります。
呼吸器疾病に使われる漢方薬の例として、
小青竜湯や半夏厚朴湯、大柴胡湯、小柴胡湯、麻杏甘石湯などがあります。
◆喘息の予防◆
喘息は、発作を起こさないようにすることがとても大切です。
そのため、日々の生活の中で次のことを心がけましょう。
また、ぜんそく日記をつけたり吐き出した呼気の量を測る簡易の
ピークフローメーター などで症状を自己評価し、
体調を管理できるよう毎日の状態を把握するとよいでしょう。
◆喘息の予防大原則◆
1.アレルゲンの除去
掃除をこまめにしてアレルゲンとなるほこりやダニなどを取り除き、
マスクや手洗いなどで自衛しましょう。
布団や座布団は日干しして、干した後はよくたたいてダニの
死がいも取り除きましょう。 発作が起こる原因を見極めることが肝心です。
2.生活習慣の改善
日頃から体調を崩さないように注意し、風邪やインフルエンザなどで
発作の引き金を作らないようにしましょう。
アルコールの摂取は適度に控え、また、本人も周囲の人も禁煙が望ましいです。
3.ストレスの緩和
お子様などに多い感情の激化や強いストレスは、呼吸の亢進をうながし、
結果として気道の狭窄の要因となります。感情のコントロールに
努め、喘息に負けない心と体を作ることがとても大切です。
★体を鍛えよう★
喘息患者の方にとって、激しい運動は症状を悪化させる重要な
因子にもなりますが、適度な運動を継続して体力をつけることは
喘息予防だけでなく、感染症予防のためにも大切です。
水泳は気管支への刺激が少なく、麻適度なら負担の少ない
スポーツといええます。
また、日頃からの乾布摩擦は皮膚の自律神経を鍛え、
風邪や喘息の予防には有効なことが知られています。
ただし、アトピーの方には肌に負担がかかりますので注意しましょう。
そのほかに夏のうちから初めて薄着を心がけるなど、
普段から体を無理なく鍛えていくことはとても大切です。
乾布摩擦とは読んで字のごとく、布で肌をマッサージする
健康法のひとつで、やり方は特に決まっていません。
心臓から遠い手足から体の中心に向かって、自分が気持ちの
良い強さで、肌をいためない程度にこすりましょう。
寒くなってから急にはじめると負担になりますので、
暖かい季節から習慣づけましょう。
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