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エコノミークラス症候群


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◆エコノミー症候群

 エコノミークラス症候群とは、飛行機などの乗り物で長時間座っていた人の
足の血管内に血の塊(血栓)ができる病気で、正式名は「深部静脈血栓症」と
いいます。
この病気の恐ろしい点は、歩いている間にその血栓の一部が血流にのって肺に達し、
肺の血管を閉塞してしまう場合があることです。

当初、航空機内のエコノミークラスの乗客からの発症が報告されたため
このように呼ばれていますが、座席のクラスに関係なく、
また航空機以外の交通機関や劇場でも一定の姿勢のまま長時間動かなければ、
同様の危険があるとされています。


飛行機の中は湿度が低く、20%程度しかありません。
そのため機内では体から水分が失われ、脱水症状から血液が濃い状態に
なっています。
乾燥した機内で窮屈な姿勢のまま長時間座り続けると、足のももの裏側が
圧迫されて、静脈の中に血栓ができてしまいます。
この状態で歩き始めると、血栓が血液の流れにそって心臓から肺へと流れ
ていきます。
肺の血管は先が細いため、血栓はそこに詰まって肺塞栓症が生じてしま
うのです。そうなると肺機能が失われ、呼吸困難、動悸、胸の痛みから
突然気を失ったり、ひどい場合には死にいたることもあります。
ここ数年の間にエコノミークラス症候群の発症が目立ってきた背景には、
航空機の性能の向上によってノンストップで長時間運行する機会が増えたことや
中高年者の海外旅行が増えたことなどが考えられています。


 次のような病気や症状を持つ人は、深部静脈血栓症を起こしやすいと
 されています。
 該当する人は、あらかじめかかりつけのお医者様に相談するとよいでしょう。
    ○下肢静脈瘤
    ○下肢の手術、けが
    ○悪性腫瘍
    ○深部静脈血栓症の既往歴のある人
    ○血液凝固能異常
    ○肥満
    ○経口避妊薬の使用者
    ○妊娠中、出産後

 エコノミークラス症候群は発症の怖さの一方で、原因が分かっているため
 ちょっとした対策で予防は可能です。次のようなことに注意しましょう。

★常に体を動かすようにしましょう
機内では座りっぱなしでいることが多いですが、手足を動かしたり、歩き回ったりし
て定期的に体を動かすようにしましょう。立ったり座ったりを繰り返すだけでも血液
の循環は良くなります。また着席中でもできる足の運動を時々行うよう
心がけて下さい。

★適度な水分を補給しましょう
適度な運動のほかに有効な予防法とされているのが水分補給です。
飛行機の中は予想以上に乾燥しているので、いつもより多めに
水分をとるようにしましょう。

★アルコールの飲みすぎには注意しましょう
アルコールを飲むと尿が出やすくなり、血液中の水分が減少して
血栓ができやすくなります。飲みすぎには注意しましょう。

★ゆったりとした服装を心がけましょう
飛行機に乗る際は、ジーパンなど体を締め付ける服は避け、
ゆったりとした服装を心がけましょう。

★飛行機に搭乗する前に、
軽めの飲食をとるとよいでしょう
搭乗前にスナックを食べたり軽めの食事をしたり、あるいはノンアルコール飲料を
摂取することが、血行を促し凝血予防に役立つようです。
ただし食べ過ぎは逆効果になるので、適度な飲食を心がけましょう。 
           

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